[裁きーJUDGEー]
この悪臭の根源はこの
ぶら下がっている物に有ると
察した女は、近寄り、匂いを
嗅いでみた。
すると、いきなり部屋全体に
明かりが灯された、
女は、驚愕した。
「…何よ…、これ…。」
女の目の前にぶら下がっていた
物の正体は、骨も関節も
グニャグニャに変形している、
人間の死体だった。
死体の腹部にはテレビが
埋め込まれており、
手と足にはワイヤーが
繋がっていた、
死体の今の現形は糸で繋がって
いる操り人形を想像させた。
女は一気に吐き気が増した。
するとモニターが映り、一人の
青年が映し出されていた。
[…今日は、北野 幸子。
何故貴方がその部屋にいるか
解りますかぁ?]
北野は意味が解らない顔を
しながら、激怒した。
「何よ、あんた…。
そんなの解るわけ無いでしょ!!
さっさと出せ!」
北野の顔は、怒りで歪んでいた。
[ぷふっ、顔が歪んでますよ。
でも貴方は最近、とある事件で
多くの人の人生を歪ませてきて
きましたよね…?]
「…!! 何で知ってるのよ…。」
[ふふっ…、
貴方の罪状を読み上げます。
北野 幸子、
罪名:殺人罪(指揮者)
貴方は連続幼女殺人事件の
首謀犯、指揮者。
貴方は自分の夫、兼実行犯
である、北野 了平と共に
九人の幼女を殺害した。
…が実行犯の北野 了平が
捕まり、事件はそこで解決。
だが、首謀犯の貴方は捕まって
おらず、その上自分の犯した罪
に何も感じないまま
のうのうと暮らしてきた貴方に
反省の余地無し!
よって僕の権限で裁きを
下します!]
白石は北野にそう告げた。