なつさくら
なつもよう
ジリリリリ…
ミーンミンミンミン…
「あっつ…」
夏真っ直中の8月。
外は太陽が真上からギラギラと照らし、
虫達が夏本場到来を祝福するかのように鳴く。
そんな夏を夏休みということもあり、部屋を締め切り、クーラーをガンガンかけてアイスを頬張る少女がいる。
名前は
緑原 桜。
春生まれの高校1年生。
文芸部所属の彼女は夏休みにはこれといって活動もなく悠々と家でくつろいでいる。
ポニーテールでTシャツにハーフパンツというラフな格好でダラダラと1日を過ごす少女…
今年。
転機が訪れる…
そう。
遅いようで早く…
歯車が回り始める―…。