【BL】溺愛ロジック
抱え直して、ついでに傘を差す。
まあ、もう意味がないぐらい濡れたけれど。
その間に呆けていたそいつが急にもがきだした。
「こら、落ちんぞ」
「じゃあ降ろせよ!」
耳元で叫ばれ眉を寄せる。
が、その内容は無視だ。
「煩ぇよ」
「何処に行く気だよ!」
声変わりがまだなのかテノールより少し高いアルト。
吠えてくるそいつの声は意外とすんなりと自分の中に落ち着いた。
無視して公園を出ようとすれば、上着を引っ張り出した。
首が締まって普通に痛い。