† of Human~人の怪異
「はい、第十七番、上野です」
と、返事をした少女は、数秒を置いてから桜庭に目を向けた。
「はい、います。……え、あぁ、大木駅……。はい、彼も言っていました」
どうやら、電話の相手も桜庭と同じ情報を話しているらしい。
(なんつータイミングだかね)
とぼやいているとへ、桜庭が満足そうに笑っているのが窺えた。
彼は彼で、自分の本質を貫いているらしい。
やがて、ぱちんとケータイを閉じた上野楓が、やや疲れた表情で言った。
「大木駅に、最近奇妙な霊がいるようです。桜庭くんが言いたかったのは、これですね?」
「そう、そうだよ上野さん。さすがにそっちも手が早いね。それじゃあ早速、この三人で行こうか」
「……はあぁ……」
溜め息を隠さない上野。
教会ではない者に、ことを見透かされている。首を突っ込まれている。
その事実が、少女の気を重くしているのは明白だった。
同じように、そんな上野を見るのが、桜庭の本質を満たしているのも、和幸にはわかる。
傲慢になりたいがゆえの、些細な優越感を、桜庭は求めている。
と、返事をした少女は、数秒を置いてから桜庭に目を向けた。
「はい、います。……え、あぁ、大木駅……。はい、彼も言っていました」
どうやら、電話の相手も桜庭と同じ情報を話しているらしい。
(なんつータイミングだかね)
とぼやいているとへ、桜庭が満足そうに笑っているのが窺えた。
彼は彼で、自分の本質を貫いているらしい。
やがて、ぱちんとケータイを閉じた上野楓が、やや疲れた表情で言った。
「大木駅に、最近奇妙な霊がいるようです。桜庭くんが言いたかったのは、これですね?」
「そう、そうだよ上野さん。さすがにそっちも手が早いね。それじゃあ早速、この三人で行こうか」
「……はあぁ……」
溜め息を隠さない上野。
教会ではない者に、ことを見透かされている。首を突っ込まれている。
その事実が、少女の気を重くしているのは明白だった。
同じように、そんな上野を見るのが、桜庭の本質を満たしているのも、和幸にはわかる。
傲慢になりたいがゆえの、些細な優越感を、桜庭は求めている。