† of Human~人の怪異
見ていれば、どこまでも二人を達観してしまいそうである。
和幸は、だから言った。
「とっとと行って、とっととすまそう。俺も行くから」
ただこの申し出に、上野はやはりひどく、渋い顔をしていたが。
世界のうちにある一切は押し並べて運動しているのであって、あるいは減少し、あるいは増大している。
運動しているものは生きてもいる。
すなわち、世界とは同時に全体として見る時には不変であるが、その部分部分はことごとく変化する。
ただし、なにひとつ腐敗したり、消滅するわけではない。
そうした呼び名が人々を混乱させているのである。
命は誕生ではなく、感覚の生起でありし、また変化は死ではなく、忘却である。
このように万物は不死である。
質量も、命も、気息も、霊魂も英知もそうであって、あらゆる生き物はこれと結合してできている。
和幸は、だから言った。
「とっとと行って、とっととすまそう。俺も行くから」
ただこの申し出に、上野はやはりひどく、渋い顔をしていたが。
世界のうちにある一切は押し並べて運動しているのであって、あるいは減少し、あるいは増大している。
運動しているものは生きてもいる。
すなわち、世界とは同時に全体として見る時には不変であるが、その部分部分はことごとく変化する。
ただし、なにひとつ腐敗したり、消滅するわけではない。
そうした呼び名が人々を混乱させているのである。
命は誕生ではなく、感覚の生起でありし、また変化は死ではなく、忘却である。
このように万物は不死である。
質量も、命も、気息も、霊魂も英知もそうであって、あらゆる生き物はこれと結合してできている。