† of Human~人の怪異
すらりとした長身で、黒のスーツを纏う姿は――一瞬、悪魔かと思った。
人のよさそうな柔和な表情が逆に、この『事件現場』で浮いている。
が、彼は和幸の見る幻ではないらしい。
返事をするのに数秒戸惑っている間に、
「アルさん、勝手にすたすた行かないでくださいよ。ただでさえここ、管轄外なんですから」
と、男に声をかける人物がいた。
アルと呼ばれた男同様、スーツを来た、同じくメガネの優男である。もっとも、金髪男と比べれば、ずっと凡々とした風貌だが。
和幸から目をそらした金髪男が、少し苦笑した。
「内村、僕がいないとなんにもできないわけじゃないだろう? そんなに責めないでくれよ」
「それはそうですけど、アルさんが勝手にどこか行くとなにが起こるかわかんないのも事実ですから」
「辛辣な言い方だなあ、君って」
人のよさそうな柔和な表情が逆に、この『事件現場』で浮いている。
が、彼は和幸の見る幻ではないらしい。
返事をするのに数秒戸惑っている間に、
「アルさん、勝手にすたすた行かないでくださいよ。ただでさえここ、管轄外なんですから」
と、男に声をかける人物がいた。
アルと呼ばれた男同様、スーツを来た、同じくメガネの優男である。もっとも、金髪男と比べれば、ずっと凡々とした風貌だが。
和幸から目をそらした金髪男が、少し苦笑した。
「内村、僕がいないとなんにもできないわけじゃないだろう? そんなに責めないでくれよ」
「それはそうですけど、アルさんが勝手にどこか行くとなにが起こるかわかんないのも事実ですから」
「辛辣な言い方だなあ、君って」