† of Human~人の怪異
ははっ、と口の端しからしつこい失笑が漏れた。

あの無惨な瓦礫の中に、救助はおろか、遺体すら発見されていないクラスメイトがまだ、半数以上もいる。

いや、実は見つかっていないわけではない。

、、、、
見つかるはずがないのだ。

だから、よく覚えていないとはぐらかした。

が……

見れば、話しかけてきた刑事は、あまりにも綺麗な目をしている。

少しなら、話してやろうという気になった。

ただし、

「はっ、ははは……」

しつこいしつこい、失笑混じりに。

「わかりました、じゃあ話しますよ」

「うん。悪いね」

「いえ、別に。はは……」

と、壊れたように緩みっぱなしの口を、少年はゆっくりと割る。

その笑みを、金髪の刑事はなんとなく、狐のようなヤツだと思った。
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