† of Human~人の怪異
「僕はわかったよ。充分すぎるくらいだ。教室の中で、人間が化け物になった。
そしたら、その化け物をやっつける正義の味方が、クラスの女の子だった。
で、化け物と女の子は教室をしっちゃかめっちゃかにした挙げ句、天井をぶっ飛ばしてどこかへ行ってしまった。ほら、『事実』なんてこんなもんさ」
「こ、こんなもんさって……アルさん、そりゃ聞いた分にはそうですけど、そんなバカな話があるわけないでしょ」
「うーん、そういうもんなのかな」
ずれたメガネを整えながら叱ってくる内村の視線を、アルはくいと少年へ目を移すことで避けた。
青い瞳が、訊ねてくる。
「いま話してくれたのは、君が見た『事実』なんだよね?」
「は、はい」
と、うなずく。
「作り話でも、君の夢でもないんだよね?」
「は、はい」
と、うなずく。
「あそこで――」
す、と男にしては白い白い指が校舎の三階を指差し、三度目、訊ねられる。
「今はぶっ飛んだあの教室で、それを見たんだよね?」
「は、はい」
と、そしてやはり三度目、うなずく。
そしたら、その化け物をやっつける正義の味方が、クラスの女の子だった。
で、化け物と女の子は教室をしっちゃかめっちゃかにした挙げ句、天井をぶっ飛ばしてどこかへ行ってしまった。ほら、『事実』なんてこんなもんさ」
「こ、こんなもんさって……アルさん、そりゃ聞いた分にはそうですけど、そんなバカな話があるわけないでしょ」
「うーん、そういうもんなのかな」
ずれたメガネを整えながら叱ってくる内村の視線を、アルはくいと少年へ目を移すことで避けた。
青い瞳が、訊ねてくる。
「いま話してくれたのは、君が見た『事実』なんだよね?」
「は、はい」
と、うなずく。
「作り話でも、君の夢でもないんだよね?」
「は、はい」
と、うなずく。
「あそこで――」
す、と男にしては白い白い指が校舎の三階を指差し、三度目、訊ねられる。
「今はぶっ飛んだあの教室で、それを見たんだよね?」
「は、はい」
と、そしてやはり三度目、うなずく。