† of Human~人の怪異
「そんな目で……結構失礼ですね、小名木くん」
と、そんな和幸の視線に、上野は後ろ手で鞄を持ち、拗ねた。
「私はいたいけな女子高生で、仮にも命の恩人なんですよ? その乙女を前に、そんなに怯えるなんて」
「あ、ご、ごめ」
「謝ってすむなら教会は不要です」
「?」
よく、意味のわからないことを言った上野は、すとんと突然、腰を下ろした。
たおやかな眼差しが、和幸を見上げてくる。
「座ってください」
「は……?」
「お話しましょう、小名木くん。気になって気になって、仕方ないのでしょう?」
彼女が、なにをお話しましょうと言っているのか、和幸は無論、即座に理解できた。
それが、あの教室で見たもの同様、頭のイカれた高校生のたわ言に聞こえる内容であると、予想もできた。
もちろん、あの光景を否応なく思い出させられることも。
「前もって言いますけど、拒絶は認めませんよ」
と、こちらの心中を察したのか、単に自分は思っていることが顔に出やすいのか、釘を刺される。
和幸は、致し方なく、腰を下ろした。
と、そんな和幸の視線に、上野は後ろ手で鞄を持ち、拗ねた。
「私はいたいけな女子高生で、仮にも命の恩人なんですよ? その乙女を前に、そんなに怯えるなんて」
「あ、ご、ごめ」
「謝ってすむなら教会は不要です」
「?」
よく、意味のわからないことを言った上野は、すとんと突然、腰を下ろした。
たおやかな眼差しが、和幸を見上げてくる。
「座ってください」
「は……?」
「お話しましょう、小名木くん。気になって気になって、仕方ないのでしょう?」
彼女が、なにをお話しましょうと言っているのか、和幸は無論、即座に理解できた。
それが、あの教室で見たもの同様、頭のイカれた高校生のたわ言に聞こえる内容であると、予想もできた。
もちろん、あの光景を否応なく思い出させられることも。
「前もって言いますけど、拒絶は認めませんよ」
と、こちらの心中を察したのか、単に自分は思っていることが顔に出やすいのか、釘を刺される。
和幸は、致し方なく、腰を下ろした。