† of Human~人の怪異
和幸は、表情をなんとか取り繕う。

しかし、裁縫は得意でも、ポーカーフェイスは下手くそだった。

上野は、

「それでは、質問を受け付けます」

とだけ言って、和幸の下手くそな表情を笑うことはなかった。

先に、質問はあとから受け付けると言われていた。

しかし、いざ質問できる状態になったところで、和幸の頭は、あれをこれをと即座に訊ねられるほど、整理されていない。

そもそも、発することも聞くこともできない単語を主軸とした話の展開に、特大の困惑を抱いているのである。

「質問って、言われても」

仕方なく和幸は、受動へと回る。

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