† of Human~人の怪異
――と、桜庭が連ねる言葉の最後、やけにはっきりと聞こえた単語。

わかった、というなにかを承諾した言葉。

こくりとうなずく桜庭に、上野は、

「――やめて、くれるんですね」

一瞬、切っ先を、下ろした。

宙の剣達も、殺気をしまうかのように、刃を下向ける。

それが、

「うん、わかってる。二匹でダメなら、もっと増やせばいい」

「!!」

間違いだった。

桜庭紅蓮は、上野楓へ向けて、わかったと言ったわけでは、ない。
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