† of Human~人の怪異
「小名木くん、なんでそんなことが言える……? なんで、僕を見透かす……? なんなんだよ、君……」
自分も思う疑問を、まさしく言葉の大打撃を受けた桜庭が、問う。
地べたに這いつくばったままの姿勢だが、さすがに体を貫かれた傷は、すでにほぼ癒えているようだった。
それでも、先ほどのような凶行を繰り返さない。それが、もう粛正する必要のない、証拠だった。
自分でなにを仕出かしたかわかっているのか、いないのか、後頭部をテキトーに掻いた小名木が、
「あー、」
「いやいや、愉快愉快。いいものを拝みましたな」
なにかを口にするよりも早く、闖入者が現れた。
三人揃って振り向く先、ひょろりと立っていたのは、影が起き上がったかと勘違いするような、黒装束の人物。
薄い白光に照らされるのは、教会をまとめるうちの、ひとり。
春夏秋冬を問わない長袖の修道服に、ナイフで切り込んだような、狐目の男。
「ひっ、一ツ橋さん……!?」
上野楓は、自分では到底顔を合わせるはずがない役職にいる男の登場に、悲鳴をあげた。
自分も思う疑問を、まさしく言葉の大打撃を受けた桜庭が、問う。
地べたに這いつくばったままの姿勢だが、さすがに体を貫かれた傷は、すでにほぼ癒えているようだった。
それでも、先ほどのような凶行を繰り返さない。それが、もう粛正する必要のない、証拠だった。
自分でなにを仕出かしたかわかっているのか、いないのか、後頭部をテキトーに掻いた小名木が、
「あー、」
「いやいや、愉快愉快。いいものを拝みましたな」
なにかを口にするよりも早く、闖入者が現れた。
三人揃って振り向く先、ひょろりと立っていたのは、影が起き上がったかと勘違いするような、黒装束の人物。
薄い白光に照らされるのは、教会をまとめるうちの、ひとり。
春夏秋冬を問わない長袖の修道服に、ナイフで切り込んだような、狐目の男。
「ひっ、一ツ橋さん……!?」
上野楓は、自分では到底顔を合わせるはずがない役職にいる男の登場に、悲鳴をあげた。