地味っ子?奮闘記
朝。
桜はまだ目覚めない。
コラ。
早く起きろって・・・・
昨日、病室にいた3人は一条のおじさんとおばさん。それに、すけさんだった
俺のわがままで、目が覚めたら連絡します
ってことで、帰ってもらった。みんな疲れが顔に出ていた。
かーさんは、俺が乗ってきた車で先に帰ったようだ
廊下から、スタッフの動く音が聞こえ、時計を見ると6時
病院の朝は早いようだ
ンッ
握っている桜の手が動いたような
「さく?」
「さく?・・・・」
まだか。
「さく。早く起きろって。俺、さみしいじゃん。」
「早く治して帰ろうなぁ。さく」
「特性グラタン食べさせろ。あと、卵焼きもだ。俺の「・・れ」」
んっ?
「・・・・れ・・・ん・・」
痛々しい酸素マスクの中から、苦しそうに呼ぶ。
「桜!!桜!!!俺、俺、俺わかる?」
「何、詐欺みたい。蓮。お帰り」
脱力。詐欺って。でも、笑顔で
「ただいま」
そう言って、握っていた桜の手にキスをした