地味っ子?奮闘記
DRの診断結果に一条家は、愕然とした
あのあと、詳しい精密検査を受けた桜
画像、映像からは特に脳には異常は見られない
今の状況は、外傷ではなく内傷
つまり、心の病気
何かの原因により、桜の心が、その記憶を拒否している
いつ記憶がもどるか・・・わからない
ここからは、心療内科になるので、あとでDRを頼んでくれる
外傷の方は
右足の膝のお皿にヒビがあり、その下の静脈を傷つけているが
1ヶ月くらい入院したら、通院でいいらしい
おそらく、後ろからぶつかられて前に倒れたとき、膝をついて
骨折したのだろう、ということだった
夕日が、病室の真っ白い壁を赤く染める
今は、俺とおじさんだけしかいない
おじさんは、ソファーでうなだれていた
俺は特に声をかけるわけではなく
寝ている桜の髪を触っていた
長い沈黙
「おじさん。あの日、何があったの?」
俺は感情のこもらない声で、ゆっくりと聞いた
「・・・・・・・・・俺が、悪かったんだ・・・・・・」
それ以上、何も答えてはくれなかった