†Real feeling†
「――…っ…んっ…」
ギシ、と鳴る座席。
熱く重なる唇。
ここは俺の車の中。
あの後、着替えた彼女を自宅マンションまで 送った俺。
車を出ていこうとした彼女を、俺が引き留め た。
そして…今に至る。
「んっ…。ふ…」
彼女の細い腰をグッと固定し、後頭部を引き寄 せる。
抱き寄せている腕に力がこもる。
帰したくない。
このまま、めちゃくちゃに抱き壊しちまいてぇ ……。
「っ…、はぁ…。慎……」
数ミリだけ離れた唇の隙間から、彼女の甘い吐 息が漏れる。
ギュッと強く俺の背中を握る、汐莉の細い指。
熱を持った……柔らかい体。