蒼唯的痛冷な瞬間【本サイト限定作品】

チクッと

これは最近の出来事だ。

１１月某日。

外出先で、靴の中に違和感を感じた。

左足の、側面部。

小石が入っているような、ゴツゴツした感覚。


今すぐ脱いで中を確かめたい衝動にかられたが、外なので我慢我慢。

気持ち悪さを感じつつ、急ぎ足で帰宅。

外出先ではさすがに靴を脱いだりできないので、家に着いてすぐ裸足になり、中を確かめた時は開放感でいっぱいになった。

だが、おかしい。石など入っていないではないか……。

じゃあ、あの違和感は何？

靴下を脱いでも、異物が肌に当たる感じは消えない。

目をこらしてよーく見て見ると、左足側面部に、３ｍｍほどの細い木の枝が刺さっていた！

幸い、神経の通っている場所には達しておらず、いちばん上の皮膚に沿うように横倒しの状態で刺さっていたので、痛みはなかった。

（この状況を文章にするのは難しいと思った。）

ピンセットを使って、無事に抜き終えた違和感の正体は、茶色い棒状のトゲだった。

柱から削り落とされた物だろうか。

いったいいつから刺さっていたのだろう、靴を履くまで自覚はなかった。


トゲを抜いた後、抜く前よりチクチクしたのは、なぜだろう。

また、いつの間にか刺さっていたトゲは、こわかった。

気付かずにいたらどうなっていたのだろう。