Crazy
「あんまり驚かないんだね」
もうちょっと驚くかと思ってた、と言いながらユウトはまた、フワッと笑った。
「結構、驚いたよ?表情にでないだけだから」
あたしもユウトにつられるように、静かに笑った。
***
ユウトと話し終わって携帯を見ると、時間は午前3時を回っていた。
「そろそろ帰らないと。明日学校だし…」
あたしの言葉に自分の携帯を見たユウトは目を見開いた。
「もうこんな時間!?ナオちゃんと話すのが楽しすぎて…。ごめん…」
ショボンとしているユウトは、飼い主に怒られた子犬のようで。
「大丈夫。あたしも、楽しくて時間忘れちゃったし」
ニコッと笑いかけると落としていた肩を上げて、マナトが入って行った扉に勢いよく入っていった。
…ドアの開け方がキョウに似ていて、クスッと笑ってしまった。