高校生恋愛＊～初めての気持ち～

私の家は、住宅地にある。


周りは家だらけで、その住宅地を抜けるとデパートやショッピングモールがずらりとならぶ商店街がある。だから、私の通学路は家ばかりで外灯しかないのでとても暗いし、不気味だ。朝の風景と夜の風景が全然違っていて、今私はどこを歩いているのか。ときどきわからなくなる。



「トントントン……」


私のはいてる、ローファーの音だけがこの町を包み込むようにしてなった。そして、私は、住宅地の通りがかりの家から聞き覚えのあるお笑い芸人や、有名司会者のテレビから聞こえてくる声を聞き、幸せな気持ちになった。


どの家族もあったかくて、優しい。


そう考えるといいなー。と思った。まあ、自分の家族も優しいけど。世界中のみんながこうして安心できる場所があればいいのにな。と感じた。




「うわー。可愛いなー。この子。」


「あのぉー。こんな時間に一人で何してるんスか？」



ザッザッザッ


成年男子のようなお酒臭い男の人が私に声をかけてきた。黒いパーカーを着ていて、髪の毛は金髪の短髪。一人目は、ちょっと太っていたが、もう一人の人はやせていて、ねずみのような顔をしていた。なんだ？なんだ？この人は？まさか……酔ってる？




「あの!!!すいません!!!すぐ帰らないとーー」


私はそういって、その場から逃げようとした。



「ちょっ！！やだ！」


なにこの人、めちゃくちゃ力強い。私は太ってる男性に腕を掴まれた。ギリギリギリ。腕が痛む。


「ちょっと、どっか寄ってこーよー。」


「何でも買ってあげるからさ！」


だんだん掴んでいる男性の手に力が込みあがっていくのが分かった。


誰か!!!誰か!!!!




グイ!!!、気がつけばもう一人の男性から肩を組まれ身動きが全くとれない状態になった。