高校生恋愛*~初めての気持ち~
「どしたのー?こんな所で」

私は圭太の目をみて呟いた。


「あー。体、鍛えてるんです。」

「え?体?」


「はい。」


「あー。おまえって、結構がっちりしてるもんなぁー。」


翼まで、圭太の腕を触りうんうんとうなずきはじめた。


「すっごいねぇー。がっちりしてる」


「あはは。まだまだですけど。……ていうか。橋場君と晴笑さん?一緒に帰ってるんですか?」


「あ。いや……そのぉー。」

「あー。運動会の係の仕事!遅くまでかかっただけ」


「翼……。」


「あー。そうなんですかぁ。頑張ってください!」


「うん。ありがとう」




圭太はそういうと、暗い闇の中に再び消えていった。



彼の後ろ姿は、まだまだ、子供で足も細かった。



男の子って細くていいなー。なんて言ってみたり……。



「行くぞ」


「あ!ごめっ!行こうか」



翼は、私の涙の理由を聞かなかった。


ただ、隣にいてくれた。


ありがとう。



ありがとう。



ありがとう。




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