高校生恋愛*~初めての気持ち~
No.3

思い出

そっと誰かが私の頭を撫でる。これは高校の春。


“あ~~~!遅刻しちゃったよー!”


“このまま、サボっちゃおっか~。”

正樹の声は、いつも優しくて温かい。


“晴笑、ずーっと一緒にいような”


あんな約束を交わしたのは、いつの事だっただろう。



“今日、待ってて一緒に帰ろう”


そういって誘ってくれるのはいつも正樹から。



ポカポカした光を浴びてすくすくと育つタンポポは、私達に「春」を届けてくれる。



キャベツの周りをゆらゆらゆれるアゲハチョウ。



迷いもなく、まっすぐ伸びるつくし。



そして、入学してきたばかりで毎日がわくわくしてる、私達。



満開に咲く桜。



「春」から連想するものは、限りなくある。


そして、私には「春」といえば……と連想するとき新しく「彼氏」というワードができた。



初めてできた、彼氏。高校生になって、毎日が楽しくなった。



「まーさきっ!」


彼の名前を呼ぶたびに緊張したの、今でも覚えてるよ。


正樹の後ろ姿、絶対わかるのって私だけかな。いつも目で追ってしまうのは正樹だった。


壊れそうなほど、好きだった。


好きで……好きで……好きで……離したくなくて、嫌われたくなくて。



こんなに好きになた人、初めてだった。





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