高校生恋愛*~初めての気持ち~
「誰か…たす・・・」


そういいかけたとき、同じ中学の舞が横断歩道を駆け出し、男の子を抱きかかえるとその車の上を通って歩道に着いた。それは、一瞬の出来事だった。



舞は、小学生の頃から、空手、柔道、ダンスをやっているせいか、運動神経はずば抜けてうまい。だからこそ、こんな事ができたんだろうけど、翼にとってはすっごく新鮮な幹事の女のこで、すぐに心を引かれたそうだ。


「んで、翼は告白したんだね。」


「ああ。」



そうか。翼も恋するんだな。舞ちゃんのこと、好きなんだろうな。



「あ。映画、始まった。」



映画で座る椅子と椅子の感覚ってこんなにも近かったっけ?もうすぐ、腕と腕がぶつかってしまいそうだ。



集中して映画なんて、みれない。



この幸せがずっと続きますように。って願った正樹とのあの日々は、もう戻ってこない。永遠なんて、ないと思ってた。いつか別れるときが来て、みんなはその別れに涙する。でも、泣くって事は、その人のことが愛しくて愛しくてしょうがないってこと。



本当は、その人の存在がなくてはならないんだ。



映画は120分。約二時間。


私は、もうこの映画の内容が感動しまくりで、泣いた。


「つばさぁァあ!ティッシュ~~」


「お前、自分の使い果たしたのか?」


「うん。もー。無理~。」


「ぶっ!その顔おもしれー。写メっといていい?」


「ばぁぁぁぁぁぁかぁ!」


翼の隣はこんなにもおちついて、優しいなんておもってもなかった。



ずっとこの場所にいたい。そう思った。でもここは私の場所じゃない。舞ちゃんの場所。今日だけなんだ、翼の隣にいれるの



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