高校生恋愛*~初めての気持ち~
その人は、私を助けてくれた。どんなときも傍にいてくれた。泣きたいときは泣けって言ってくれた。


だから、こんどは私が翼に想いを伝えなければいけない。


そう思って私は優しく携帯を閉じた。


時間はちょうど、電車がくる時間だ。


私はその瞬間決意した。今日、翼に想いを伝えよう。はやく・・・はやく・・・伝えたい。


舞ちゃんがいるってことは、わかってる。翼が、舞ちゃんのことを好きっていう事も、知ってる。知ってるんだよ。でも、分かっていても、もうあきらめきれないほど、翼が好きなんだ。



もし、このまえ。翼がそばにいてくれなかったら、正樹と春香ちゃんの二人のお似合いな姿を見て、きっともう立ち直れないくらいのショックを受けていただろう。でも、そこで翼が私の肩をそっとさすってくれたから、私は今、こうして前を向いて歩いていける。



だから……伝えたい。



私はガタンゴトンと揺れる電車に体を揺さぶられながら、上を向いた。




そして、いつしか正樹の事も、友達として見られるようになった。



「橋場…翼」


最初は、あんなに意味不明な奴だって思ってたのに。


恋っておかしい。なんで好きになってしまうんだろう。



胸がドキドキと高鳴る中、私はきゅっと携帯を握り締めた。


恋してる人って、キラキラして見える、なんていうけど、本当なのかもしれない。



頭の中では、聞き思えのある初恋をテーマにした曲がリピートされている。



まわりは、まだ冬なのに、満開の桜が咲いたみたいに心の中がぶわっ!!ってなるの。




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