高校生恋愛*~初めての気持ち~
目を閉じた。思い出すのは、あの時から。




“チーッス。先生ー。遅れましたー。”


そういって無邪気な笑顔で教室に入ってくる君。


先生の目も気にすることなく、いくら遅刻しても当たり前のように、私の方見て「おはよう」って笑ってくれる。



“なんでも言えよ”


悲しいとき、辛いとき。いつも傍にいてくれた。だから、私今ここにいれるんだとおもう。



“一ヶ月だけ、付き合って”



嘘かとおもったよ。そんな事。だって、翼と付き合えるなんて。昔は、あんなに嫌な奴だと思ってたのに、今だったら翼と付き合ってたとき、もっとしたい事とかあったのに、なんて思うよ。なんでできなかったんだろうね。今思えば付き合えたこと、奇跡だったんじゃないかな。



“晴笑ー。”



簡単に、私の名前よんで、意地悪ばっかりしてくる。なんで、そんなに簡単に私の名前呼ぶの?いっつもドキドキしてたんだよ?気づけよ!




いろんな思い出が頭の中で交差しては消えた。それは、夏の花火のように。一瞬綺麗な思い出として私の頭の中の花火が上がる。


でも、その思い出は一瞬にして消えてしまう。



消えないで。なんていっても消えてしまう。




もう、後戻りはしないから。



そう思ってドアを開けたその時。



「晴笑ちゃん。」



その声は…



一瞬にして空気が重くなった。


「舞……ちゃん。」




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