高校生恋愛*~初めての気持ち~
どれくらい時間がたったか分からなかったけど、私は舞ちゃんの隣の椅子に腰をかけて温かいココアを飲んでいた。


ココアはとってもあったかくて、ゴクっと一口飲むだけで、体全体に温かいものが広がっていって、一瞬ではあったけど、幸せになれた。


「私。晴笑ちゃんが憎いよ。正直。」

舞ちゃんはそういうと下を向いた。



「うん。私だって。私だって」


私も拳に力を入れながら重く重くいった。



「私、前も言ったと思うけど。翼には色々と助けてもらった。

最初は自分が体弱いから翼は私に話しかけてくれているんじゃないかって思ってた。たからこそ、そんな風に思われたくなかったから、私、頑張ったんだ。」



そっか。そうか。舞ちゃんこんな表情もするんだ。


舞ちゃんは今まででは見た事もないような優しい表情で語っていた。そんな表情を見せられるたびに胸が締め付けられた。



「そして、やっと。翼を手に入れたの。私だけの、翼を。
前、晴笑ちゃんと翼、一ヶ月だけ付き合おうっていって付き合ってたでしょ?それも、私と翼、その時喧嘩してたからなの。」


「え?」


「そのとき、翼と私、喧嘩してて、私、意地張って正樹君ってかっこいいよね、って言ったの。そしたら、翼、私が正樹の事が好きだって勘違いされちゃったの。」



舞ちゃんは最後まで言い終えるとゆっくり立ち上がった。



「本当は、後悔してる。一ヶ月だけでも、翼と晴笑ちゃんをつっくけたくなかった。」



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