高校生恋愛*~初めての気持ち~
“翼を……お願いします”




舞ちゃんは確かにそういった。泣きながら。泣き崩れながら。



でも…なんでいきなり?だって、さっきまで翼の事好きだって言ってたよね?


「舞ちゃん!なんで?なんで私が?」



今にも消えていきそうな舞ちゃんの背中に向かって精一杯の声で叫んだ。



「自分の心に聞いてみてよ。もう、分かってると思う。」


そういって舞ちゃんは病室に戻っていった。私は待合室の椅子に腰をかけたままただ呆然と冷めたココアを両手で持ちながら、舞ちゃんが小走りで走り去っていく姿を眺めていた。





心の……中?



わかんない。わかんないよ。




もう、嫌だ。もう、なにもかも辛いよ。


「わかんない。」


心の中になんて、答えあるの?


答えを見つけられるの?







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