高校生恋愛*~初めての気持ち~
「キス…って、ここ階段の影だぞ?絶対誰かに見られる。」

「いい。私、正樹の事好きだから。ばれたっていい。ひやかされたっていい。」


「晴笑……。」


そうだよ。そうなの。正樹。正樹は安心して。私はちゃんと、正樹がすき。もう、寄り道なんかしない。本当にすきなのは正樹だから。


あいつの事は、なんとも……思ってないんだから。


ゆっくりと唇が重なり合う。はあ…はあ…と正樹の息が聞こえた。正樹…正樹…


「誰かいんのかーーー……っ?」


「……!!!!!!」


「……あんたら、何やってんの?」

そこにいたのは、今一番会いたくない男。最低な男。



その声は……翼。何であんたが!!!


「みてたの?」
私は、ちょっと強い口調で翼に聞いた。

「いや、見たくなくたって見えちゃったじゃん。」

そういってまたきょとんとした表情で頭をぽりぽりとかいていた。手にはテニスのラケットを持っている。おそらく昼休み、友達とテニスコートでテニスでもやってきたのだろう。汗びっちょりかいていた。

「馬鹿!!」

ぼたぼたと、大粒の涙が零れ落ちた。きょとんとしてる翼がものすごくきにくわなかった。


やだ。とまんない。


「晴笑を泣かせてんじゃねーよ!!!」

その時、正樹が翼の服をつかんできた。


「正樹!待って!!」
私は必死にとめようとする

「へーえ。殴ってみろよ。かかってこいよ。」

翼はそういうと「フッ」と鼻で笑った。その瞬間正樹の何かが切れた。



「くっそ!!」


「正樹!!!!!!」


やだ。やだ。やだ。なんで?もうやだ!そして、私の涙は何?悲し涙?だとしたら何の?



ナンノ???



「なんで……泣いてるの?」


自分でも分からない。正樹とキスしたこと嫌じゃない。


なのに、なんで涙がでるの?まさかまさか…



ツバサニミラレテシマッタカラ……。










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