高校生恋愛*~初めての気持ち~
「ん?」

翼が私の名前を呼ぶとき声のトーンが少し下がる。それがまたよかった。

「目閉じろ。」


「………キス?」

「ちげーよ。」


「うん。閉じます。」


私は、ゆっくりと目を閉じた。目の前が真っ暗になる。



「……あけて。」



ぱち。私は目を開けた。すると指にはキラキラ光る……クローバー。

このリングは、あの時の、あの時ほしいっていったリング?

「なんで?なんで?」



涙があふれる。さっき欲しかった、リング…お金ためて買えって言ったじゃん。



「おまえ、ほしいって言ってたじゃん。」


「いつの間に……。」


「おまえは。本当に気づかないからなぁ。」


「ふぇ。ぇぇ。そんな。私、だって。」


「泣くなよ。お前の泣いた顔…嫌いだからさ。」

ばかばかばかばか。馬鹿。なんなの?サプライズ?もう、なんなのよ。

「翼。」


なんなの?そのやり方。むかつく。これ以上苦しめないでよ。辛いから。辛くなっちゃうの。翼のいいところそれ以上気づいてしまったら私、一ヶ月もたないかも。だから、やめてよ

ほんのちょっと。私の気持ち持ってかれたと思った。



でも、今日だけは許してあげる。



好きじゃない……よ





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