高校生恋愛*~初めての気持ち~
「翼……」


私は心臓がきゅーってせつなくなるのを必死に抑えながらいった。


翼は、強い。だれよりも……強い。



「みんなを、守れるような、男になりてぇ。誰も傷つくこともなくさ。弱ってる奴がいたら、助けられるような、奴になりてーんだよ。」



やば。翼の言葉で私は零れ落ちそうな涙を必死に抑えた。そして、鼻がつーんとするのも必死に堪えた。



そんなに、頑張らなくていいんだよ。翼、これ以上自分を追い詰めないで。




翼は、十分強い。私より遥かに。



「んじゃあっさ!」

私はぴょんとジャンプして立ち上がると翼のほうを見て、にこっと笑った。



「私も、みんなをまもれるような女になる。」



私だって、強くなりたいから。翼みたいに、なりたいから。



そうだ、そうだよ。やっと分かった。




「翼は、私の憧れだから。」



翼の性格。痛いほど分かった。だからこそ、大切に包み込んであげたい。こわれないように、そっと包んであげたい。




それが、わたしの答え。





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