高校生恋愛*~初めての気持ち~
「……っえっと…名前なんて言うのー?」

「橘美佐子だけど?」


「…あ…ああ。美佐子ちゃんかあ。よろしくね」

「うん。よろしく」

「………………」


えっと~…その次は…んー。好きな食べ物?いやいや……そんなの聞く意味あるか!?でも……話膨らまないし……


話をするのって大変なんだな。


っていうか…こんなペースで話しかけててもともだち作れないのでは?


ああああああ!!!!もう!!



「~~~あの!!!!!!」



「あー。わり。ここ、俺の席」


ガタン!!そう言って一人の男子が私と橘さんの間に座った


「ああ。ごめん。私の席あっちだ」


ええええ!!ちょっ………!!まだ話が…!


橘さんはすたすたと自分の席に戻って行ってしまった。



「あーあ。行っちゃったね。君の友達」


「………~こんのぉ~~…」


「馬鹿ああああああ!!!!!!!」



それがあいつと私の出会い



あいつの事最初は嫌なやつだって思ってた。でも……。



「まあまあ。そんなにキレんなよ。」



「誰のせいだと思ってんだよ!!」


「~~しゃーねーな」



「…………なによ」



「俺がお前の友達になってやるよ」


「別に!!あんたなんか」



「俺に何でも言え。嫌な事も嬉しい事も愚痴でも…なんでもいい。そういうのが友達っていうもんだろ」


「……そんなの…。言えない。」


そうだ。私は昔からきをつかって生きてきた。だから友達に愚痴なと言った事もないし、ないしょ話なんてしたことない。それはみんなの目だけが気になって自分の意思を主張できない私の短所だった。


「んじゃ。俺が練習台になってやるよ」

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