高校生恋愛*~初めての気持ち~
No.2(3)
「晴笑、アイスでも食ってこーか」
「…うん」
翼はいつもより元気がなかった
夕日がいつもより綺麗だったからだろうか
なんかみんなの顔が一段ときれいに見えた
昨日比べ全然話すこともなくなった。
でもアイスは翼はチョコレートで私はイチゴ、そこは昨日とは変わらない。
「翼…何か話してよ」
「んーこういうときってさ、何もなかったかのようにふるまっていいの?」
「うん。私的にはその方が楽」
「わかった」
最初…翼は私を助けてくれたよね。遅刻したとき、『晴笑は俺と話していて遅刻した』って嘘ついてくれて…。
なんであんまり話したこともないやつのことを助けるんだろう?ってあのとき考えてた
そしていきなり正樹と別れてとかいい始めるし、お前を惚れさせてやるなんて言われるし…。
なんでそんなに急に翼と話すようになったんだろう
その答え……やっと分かったよ
私は翼に買ってもらった、イチゴ味のアイスクリームを一口食べた。口のなかにひんやりと冷たい感触が広がった
シャリシャリと口のなかで氷が踊る。
翼が私を助けてくれたのも
惚れさせてやるなんて言ったのも
舞ちゃんのためだったんだ。