高校生恋愛*~初めての気持ち~
「は?」


正樹の顔が急にこわばった。



「んじゃあ。舞が言ってた事も、ほんとうか?」


「え?舞ちゃんが言ってたことって?」


「翼が、晴笑と仲良くしたのはーー・・・」



「ああ!それね。うん。そういうことだったみたい。私は正樹と舞ちゃんがくっつくように、翼に利用されただけなんだよ。でも、私翼に惚れる前でよかったぁー。もうちょっとで、本当に辛い思い、しなちゃいけなくなったもん。」


「・・・・。」


「あ。ごめん。なんか、うん・・・ごめ・・・ん。」



涙はかれない。これからもずっと。



なんで私は泣いてるの?


なんで私は悲しいの?



分からない。分からないけど、涙は止まらないの。



なんでかな?おかしいな。



私翼の事なんか好きじゃないのに。



なんで?なんで?なんで?



涙、壊れた蛇口みたいにあふれるよ?


つらい。さびしい。


あんなに優しくしてくれた翼の笑顔が、私にじゃなくて、舞ちゃんに向けられる事が。



原宿で、おもいっきり騒ぐ相手が、私じゃなくて、舞ちゃんになるってことが。



キスして、少しせつなそうに目を細める、翼の表情を知ってるのが、私だけじゃなくて、舞ちゃんも知るようになるってことが。



すっごく、つらい。




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