高校生恋愛*~初めての気持ち~
「あー。もう少しで運動会かぁ。運動会。何軍になるかな?」

9月の半ばに入ってきて、暑さのピークも過ぎていた。


私は、だんだん伸びて、おなかまであった髪の毛を肩までばっさり切った。


前髪は、重めのぱっつんにした。


みんなは、運動会がせまってきただけあって、毎日元気に活動している。


校舎からみえる窓の外の風景は、秋のもみじやイチョウの葉で綺麗に色づけされている。


私は、授業中、窓の外の景色を見て、車の通り過ぎた数を数えるのにはまり中。


今まで数えてきた中で、一番多い色は、白かな。


中には、歩道で、小さな幼稚園年中くらいの男の子が、やさしそうなおばあちゃんと手をつなぎながら、落ち葉をひろっていたり、


若いカップルが腕を組んで、綺麗な紅葉を眺めて笑い合っていたり、


老夫婦が、お互い支えあいながら、一歩一歩歩いている姿を見て、「生きている」ということに喜びを感じていた。



そんなちいさな幸せは、いつか積もって、おおきな幸せになればいいな、と願った。



今、私達は社会にでる勉強をしている。



社会に出て、私達が今の日本を支えていかなければならなくなったとき。



私は、「人の優しさ」とか「人と人とのつながり」「思いやる心」を大切にしていきたいと思った。




もし、私みたいな考えの人が一人でも多くいたら、



未来は明るくなるんだと、思った。





「……ぇさん………るえさん……はるえさん!!!!」



「ふえ??!」



どっと笑いのなみが私に押し寄せてきた。


何…何??


「なにボーっとしてるのですか?」



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