アゲハ蝶の恋【短編】
季節外れのアゲハ蝶。
雪が積もった寒い冬。
季節外れの私は蜘蛛の巣にひっかかっていた。
抜け出す事が出来ず、バタバタもがいていると下から男性の声が聞こえた。
「珍しいな、こんな時期に……。」
助けてくれた優しく、大きな手……。
その優しさが嬉しかった。
「もう捕まるなよ。」
そう言って彼は私から離れた。
離れた時の手の感触が名残惜しく、寂しく感じた。
この時はこの感情がどういうモノか分からなかった。
でも、もしまた貴方と会えたなら……。