マイルド・ガールとワイルド・ボーイ3
小首を傾げる幹居を、苦し紛れに誤魔化す。


もしオレがクラスメイトを自由自在に操れるなら、幹居は自分がカワイくて危険なオオカミがたくさんいると自覚させる。いち早く。


じゃなきゃ……安心出来ない。


「で、小学校卒業間近になって、親の仕事の都合で中学校は皆いない所に通う事が決まった。オレはチャンスだと思った」


「チャンス………?」


「そう。中学では平穏な学校生活を送りたくて、母さんに頼んでこのダテメガネを買って貰ったんだ」


「ダテ!?」


幹居がすっとんきょうな声を出し、大きな目を更に大きくした。
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