マイルド・ガールとワイルド・ボーイ3
…………まさか。


「幻聴だ。私は何も聞かなかった、聞こえなかった」


本当は今の声に超聞き覚えあったんだけど、現実逃避をしてベンチから立ち上がる。


そのまま公園から出ようとすると、ガシッと肩を掴まれた。


「逃げるなんてヒドイなぁーー紀右ちゃん。オレと楽しくお話しようよ」


「………名前で呼ばないで頂きたい」


「じゃあきーちゃんで……」


「もっとダメに決まってんでしょうっ!!」


掴まれた肩を振り払い、“その人”と目線を合わせる。


な・ん・で!よりによって十六夜君がここにいるのよーーーーっ!!
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