マイルド・ガールとワイルド・ボーイ3
「どうした?幹居。何か借りたい本でもあるのか?」


「えっ……イヤ、違くて………」


なぜかしどろもどろの幹居は、片手で髪の毛をイジったりして落ち着かない様子。


「借りたい本が特に無いなら……なんで図書室に来たんだよ?」


オレの問いかけに、幹居のホッペが真っ赤に染まる。


やがて何かを決意したかの様に、顔を上げた。


「本戻すの…手伝いに来たの!」


………へっ?


「だけどお前、図書委員じゃないじゃん」


それなのに、なんでわざわざ……


「十六夜君、この間私の荷物運び手伝ってくれたでしょうっ!?」
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