マイルド・ガールとワイルド・ボーイ3
ビッ!と人差し指を立てて告げる幹居に、大荷物を半分程持ってあげた時の事を思い出した。


でも確かアレはまだ幹居と本の事で盛り上がる前の事………もう2週間は前の事だった気がする。


「それがどうかしたのか?」


目線を時々本棚に向けながら聞くと、幹居は風船みたいに頬を膨らませた。


あーーー、ハムスター紀右ちゃん、出たぁ。


カワイイなぁ。


「だから……あの日のお礼に、本戻すの手伝いに来たの!!でもジャマなら帰るからっ!!」


早口で言い切った幹居の体は、プルプルと震えていた。


…………っ、ヤバイ。
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