マイルド・ガールとワイルド・ボーイ3
「別にさみしくは無い。オレん家父親も母親も忙しいから、昔から姉ちゃんもオレもあまり誕生パーティーとかして貰った事無いから。もう慣れたよ」


そう言った十六夜君の瞳に、ほんの少しだけ悲しそうな色が見えた。


『もう慣れた』なんて、絶対ウソだ……


十六夜君、本当は御両親に誕生日お祝いして貰いたいのに………我慢してるの?


「十六夜君ってお姉さんいるの?」


「………2つ上に1人で、2人姉弟」


「2歳上!?じゃあ連香先輩と同い年じゃん!!紀右聞い………紀右?」


こちらを振り返った弥紗の言葉が、途中で止まった。
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