マイルド・ガールとワイルド・ボーイ3
必死になってあやす私には目もくれず、ひたすら泣き続ける男の子。


「―――えっ?」


疲労困憊で顔が引きつり出した時――――…思いがけない事が起こった。


「ホーラボクーー、男のクセにそんなに泣いてちゃ、お母さんが悲しむぞーーー」


楓が男の子をヒョイッと抱き上げ、そのまま抱っこ。


あれだけ泣いていた男の子はピタリと泣き止んで、ちっちゃい手で楓の肩を掴んでいた。


「お兄ちゃんとお姉ちゃんがお母さん見つけてあげるから……もう泣くなよ?」


楓が柔らかい笑顔を向けると、男の子はパァッと顔を輝かせた。


「うん!」
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