マイルド・ガールとワイルド・ボーイ3
後ろから姉の楽しそうな声がして、立ち止まる。


「楓、あの子の事好きでしょう?だから本性そのままで接してるのよね?」


もう100%に近い確率で確信してる姉ちゃんに、長いため息が出た。


顔だけ姉ちゃんの方を振り返る。


「………だったら?ちなみに紀右、オレの素顔も知ってるけど」


低い声で言うと、姉ちゃんは満面の笑みを浮かべた。


「そっかぁ。ついにアンタにも春が来たのかぁ!お姉ちゃん応援するよ?頑張りな!!」


「―――そりゃどうも」


ああ…たくっ……


こうなるから、康生や遥玖にも口止めしてたのに……
< 245 / 431 >

この作品をシェア

pagetop