マイルド・ガールとワイルド・ボーイ3
フワッとした丸くて柔らかい空気は母親と姉に似てて、それでいてその中にはきちんと芯がある。


天然だけど気遣える強さは――――…父親似か。


そう思ったら知らず知らずの内に顔に笑みが宿っていて、クッと声も漏れる。


「楓……?なんで笑ってるの?私なんか変な事言っちゃった?」


「イヤ別に。何でもないから、気にすんな」


髪の毛をクシャッとしてから、顔に手をやってメガネを外した。


ダテメガネだから取っても景色は変わらないんだけど、紀右には素顔バレてるし自宅でまでかけ続ける必要は無い。


「あーー…楽だわ……」
< 250 / 431 >

この作品をシェア

pagetop