マイルド・ガールとワイルド・ボーイ3
「……それは楓の自由だけど……私としてはどちらでもいいよ。だってもったいないじゃない、損してさ」


損………?


「あっ、女の子にモテるのを回避してるのをもったいないって言ってるんじゃなくて、楓ホントは優しくて子供の扱いも上手いいい人なのに…それすらも隠してるのが損だなって言いたかったの!!」


ペラペラと言い終わった紀右は、ゴクゴクとオレンジジュースを飲む。


髪の隙間から見える頬は、夕日みたいに赤く染まっていた。


………っ、ヤバイ。


今ので必死に押し殺していた何かが、一気に溢れ出てきた。


―――触れたい。
< 252 / 431 >

この作品をシェア

pagetop