マイルド・ガールとワイルド・ボーイ3
特に何も考えないで、オレもポケットからケータイを取り出す。


「ハイっと……」


「あっ、来た来た!私のも教えておくね♪」


お互いケー番とメアドを交換し終わり、ケータイを戻す。


「じゃあな紀右。また明日、学校でな」


「……うん……」


千梨さん達と一緒に外に出る途中、コッソリ囁いた。


なんかまた落ち込んでる紀右がちょっと気がかりだったが、そのまま幹居家を後にしたオレ。


途中、藤木さんがオレにだけ呟いた。


「嵐が来るかも……気をつけてね、十六夜君」


「?晴れてますよ?」


「―――…違うわよ」
< 298 / 431 >

この作品をシェア

pagetop