マイルド・ガールとワイルド・ボーイ3
「幹居、どうした?」


「えっ?」


いきなり荒井君に声をかけられて、パッと顔を上げる。


気づいたらストローの先っちょが見事に目みたいなアーモンド形になっていた。


「なんか元気ねぇな。大丈夫か?」


ドキッ……


荒井君の言葉に、心臓が跳ね上がった。


正面から楓の強い視線を感じるも、目が合わせられない。


「な、何でもないよ荒井君!気にしないで。ちょっと私トイレ行ってくるね!」


私は慌てて心配そうな表情をしている荒井君に笑顔を向けて、席から立ち上がった。


「あっ、私もトイレ行ってこようっとーー」
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