マイルド・ガールとワイルド・ボーイ3
ペチペチ頬を叩いていると、2人がトイレの個室から出てきた。


「ねぇ紀右どうしたの?さっきは“何でもない”言ってたけど、アンタ確実に最近元気無いわよ?」


寧央がマユゲを下げながら、私の顔を覗き込む。


「何かあったんなら相談に乗るから、話してよ紀右」


「寧央……弥紗………」


弥紗も心配そうに私を見つめていて、危うく話してしまいそうだった。



“楓と乃唖ちゃんがどうにかなりそうで、怖い”と――――…



でも、言えない。


言えるワケが無いんだ。


「―――…嫌だな2人共!ホント何でもないんだってばぁ!」
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