マイルド・ガールとワイルド・ボーイ3
ワザと明るく答えて、そそくさとトイレを後にする。


「なーんか怪しい……」


「紀右…絶対何か隠してるよね?」


寧央と弥紗が怪しむ瞳を向けているのを背中で感じつつ、トボトボと席に向かって歩き続けた。


私……この数日間おかしい。


あのお姉ちゃんの誕生日………イヤ、買い出し中に沖津兄妹と出くわした日から、乃唖ちゃんと楓の事が気になって仕方ない。


2人が仲良くしていると、胸がズキズキと痛むんだ。


それは乃唖ちゃんだけにじゃなくって―――…寧央や弥紗とか、他の女の子が仲良くしていても、心が落ち着かない。
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