マイルド・ガールとワイルド・ボーイ3
「えっ?えっ?か、楓!?」


「――――紀右。オレが今から聞く事に、全部正直に答えろ」


完璧にパニック状態に陥っている紀右の顔ギリギリまで、自分の顔を近づける。


大きな澄んだ瞳に、真剣な表情のオレが映り込んでいた。


「お前、好きな男いるよな?で、その相手はオレ………違うか?」


言葉を選ぶ事もせず、超ストレートに聞いてやった。


回りくどい言い方なんてしたら、鈍感紀右ちゃんが理解するのに時間がかかるし。


「なっ、好きな人なんかいな「正直に答えろ……つったろ?」」


ツ…と紀右の唇を、指でなぞった。
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