マイルド・ガールとワイルド・ボーイ3
ジンワリ暖かい体温が、そのまま伝わって来る。


「お前……やっぱりオレの事嫌いなの?お前がオレの事好きだと思ったのは、オレの自意識過剰?」


静かに問いかける様に言うと、紀右がハッと息を呑むのが分かった。


「違うよ!私楓の事嫌いじゃないっ!むしろ………好き!!―――あっ……」


言い終わってから口を勢い良く閉じる紀右だけど、オレにはハッキリ聞こえた。


紀右が好きなのは――――…オレなんだ。


オレ達は両想いで……それが嬉しくて嬉しくて堪らない。


「キャッ!?」


オレは我慢出来なくなり、紀右を力一杯抱きしめた。
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