マイルド・ガールとワイルド・ボーイ3
荷物の向こうから幹居のツラそうな声がする。


あーーー…なるほど。


さっき幹居職員室に行ってくるって長峰と細石に言ってたし、オレ達のクラスは次社会だ。


恐らく幹居は教材を運んどいてくれとか先生に頼まれて、あんな状態に陥っちゃってんだな。


「誰かヘルプミー……」


こうして見てる間にも、幹居の足元はフラフラ左右に揺れてる。


一応周りを見渡すが、誰もいない。


「しょうがねぇ…手伝うか」


本来なら他人――特に女子生徒とは、かかわり合いになりたくないのが本音だ。


でもここで幹居を無視するのは、気が引ける。
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