マイルド・ガールとワイルド・ボーイ3
気を取り直して、読書の続きをしようとしたオレ。


その時、フワッと甘いニオイが鼻を掠める。


「おはよう、十六夜君」


オレに明るく挨拶して来たのは、セミの茶髪をツインテールにした幹居。


髪型のせいか、いつもより幼く見えた。


「ああ……おはよう幹居」


「今日からまた新しい本?十六夜君って本当に本好きだね」


ニコニコ笑顔の幹居は、自分の机に荷物を置いてからこちらに来ようとした。


しかしハッとした表情になり、サササと戻る。


「幹居?」


挙動不審な幹居を見つめていると、彼女は気マズそうに口を開いた。
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